第77回 日本医学放射線学会総会

廣川 直樹 
パシフィコ横浜 2018.4.13-15

 

JRS2018 (会期; 2018年4月12日‐15日)に参加してきました。

 

この度は放射線科専門医制度認定指導者更新のための講習会の参加がメインでした。さらには、この4月から放射線科専門医認定(1階部分)が日本専門医機構の認定に移行したため、学会認定とのかかわりを深く知る目的もありました。結果的には親方が2者になる複雑さを感じた次第です(詳細は後ほど示します)。

 

 

 

さて、いつもは木曜日の午後からさびしくポツンと始まるIVRの一般演題セッションが今回はありませんでした。このため、木曜日はCyPosでIVRの勉強をさせていただきました。かねてからIVR時の鎮静にミダゾラムを使用しているのですが、デクスメデトミジンへの変更を考えていたところ、その利便性と安全性を確認させていただけた発表がありました。当科での導入に大いに参考にさせていただきます。ありがとうございました。また、その他には、胸部診断のセッション、診断ピットフォールのシンポジウム、AIのランチョンなど参加させていただきましたが、富士通のAIランチョンは立ち見が多く盛況でした。富士通は解剖解析がほぼ出来上がり、診療ワークフローの手助けはもうできていることを強調しておりましたし、更には、診断への応用に近づいているという力強い言及もありました。自動レポートもそう遠くない速さで進歩しているようですが、日本が取り残されている感も否めないとのことです。

 

 

 

最後に専門医制度についてです。

 

放射線専門医(2階建ての1階部分)が機構認定に移行されたため、専門医受験や更新時に必要な認定された講習会が機構と学会で区別されていました。1階部分の更新のためには、機構認定の講習会の単位を満たすことが必要ですし、サブスペシャリティーである2階部分の更新には、学会認定の講習会を受けなければならず複雑です。今までは、2階部分のサブスペシャリティー更新時に、1階部分の更新は自動でついてきましたが、本年度以降は機構で5年ごとに更新される必要があります(それでも窓口は学会でいいそうです)。1階、2階が別親方でとなんともわかりづらいですし、機構からのお達しが朝令暮改となるため学会側も困っているようです。学会員に周知させてもすぐに決まりごとが変わることがあるとのことでした。ですので、学会としては1か月程度の周期で、JRS学会ホームページの専門医制度に関する項目を確認してくれとのことでした。おそらく我々でできることは指示があるように頻回の確認かもしれません。ちなみに、2階部分のサブスペシャリティーの更新が、今後学会から機構に移行するかは現時点では不明とのことでした。

 

 

 

毎回この総会はIVRより主に診断の方を勉強させていただいております。放射線診断領域のレントゲン、CT、MRIに次ぐ、第4次革命と考えられるAIとかかわりを深く考えさせられました。“いい友達”としてAIとの共存が望まれますが、友達ではなく侵入者として考えている多くの方がいるのかもしれません。